夜中に突然、肩の痛みで目が覚めることはありませんか?
寝返りを打つたびに鋭い痛みが走り、なかなか眠れない夜を過ごしていませんか?

もしそうなら、あなたは肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)の「夜間痛」に悩まされているかもしれません。

この記事では、多くの患者さんを悩ませる肩関節周囲炎の夜間痛について、その原因から自己診断の方法、そして自宅でできる効果的な対処法まで、詳しくご紹介します。

肩関節周囲炎による夜間痛とは?

肩関節周囲炎は、肩関節を囲む組織(腱、滑液包、関節包など)に炎症が生じる疾患です。特に40〜60代の方に多く見られることから「四十肩」「五十肩」とも呼ばれています。

 

この疾患の最も特徴的な症状の一つが「夜間痛」です。

日中は比較的軽度だった痛みが、夜になると突然悪化し、睡眠を妨げるほどの激しい痛みとなって現れます。症状が重度の場合は、ステロイド注射による治療神経ブロック注射が効果的であることが臨床的に確認されており、多くの患者さんが注射療法により夜間痛の著しい軽減を経験しています。

神経ブロックは、痛みを伝える神経の働きを一時的に遮断することで、即効性のある痛みの緩和が期待できる治療法です。

 

なぜ夜になると痛みが強くなるのか?

夜間に痛みが増す理由には、主に以下のような要因が考えられます。

  1. 横になることによる圧迫:就寝時に患部に体重がかかることで、炎症を起こしている組織が圧迫され、痛みが増強します。
  2. 日中の疲労の蓄積:日中の活動で蓄積された疲労や微小な損傷が、夜になって痛みとして表れることがあります。
  3. 血行の変化:横になる姿勢により血流が変化し、炎症部位の痛みが強くなることがあります。
  4. 注意の集中:日中は仕事や家事などで気が紛れていた痛みに、夜の静かな環境で意識が集中してしまいます。
  5. 体温の低下:夜間は体温が低下し、筋肉が硬くなりやすく、その結果として痛みが増すことがあります。

セルフアセスメント:あなたの症状をチェック

肩関節周囲炎の夜間痛かどうかを判断するために、以下のチェックリストを活用してください。

□ 夜中に肩の痛みで目が覚めることがある
□ 横になると肩の痛みが増す
□ 痛みのある側を下にして寝ることができない
□ 腕を上げる動作や後ろに回す動作で痛みが強くなる
□ 肩を動かさなくても、ズキズキとした痛みがある
□ 朝起きた時、肩が特に硬く感じる
□ 痛みは徐々に始まり、数週間から数ヶ月続いている

3つ以上当てはまる場合は、肩関節周囲炎の可能性が高いと考えられます。ただし、正確な診断は医師によって行われるべきですので、症状が気になる場合は診察時にご相談をおすすめします。

夜間痛に対する自宅でのケア:効果的な5つの方法

肩関節周囲炎による夜間痛は、適切なケアによって軽減することが可能です。

以下に、自宅で実践できる効果的な対処法をご紹介します。

1. 最適な寝姿勢と枕の工夫

【実践方法】

  • 痛みのある側を上にして横向きに寝る
  • 肩と首の隙間を埋めるように枕を調整する
  • 必要に応じて、脇の下に小さな枕やタオルを挟む

期待される効果: 適切な寝姿勢により、肩関節にかかる圧力を軽減し、夜間の痛みを和らげることができます。また、首と肩の位置が適切に保たれることで、二次的な痛みも予防できます。

2. 就寝前のホットパックとストレッチ

【実践方法】

  1. 蒸しタオルやホットパックを10〜15分間、痛みのある肩に当てる
  2. その後、以下の簡単なストレッチを行う:
    • 壁を使った「壁のぼり」:壁に向かって立ち、指先で壁をなぞるように少しずつ腕を上げていく
    • 「振り子運動」:前かがみになり、痛みのある腕を垂らしてゆっくり円を描くように動かす

注意点: ストレッチは痛みの範囲内で行い、痛みが強くなるような無理な動きは避けましょう。

3. 消炎鎮痛剤の湿布や塗り薬

【実践方法】

就寝前に、医師に処方された、または市販の消炎鎮痛剤の湿布や塗り薬を患部に使用します。

注意点: 使用前に説明書をよく読み、アレルギー反応などに注意してください。また、長期間の連続使用は避けるべきです。

4. リラクゼーションテクニック

【実践方法】

就寝前に深呼吸やリラックス法を行い、全身の緊張をほぐします。例えば、目を閉じて深くゆっくりと呼吸しながら、体の各部分の力を意識的に抜いていく方法が効果的です。特に肩周りの筋肉の緊張を「今、肩の力が抜けていく」とイメージしながら解放すると良いでしょう。

期待される効果: 精神的なリラックス状態が、筋肉の緊張を和らげ、痛みの感覚を軽減する助けとなります。

5. 日中の姿勢改善と肩の定期的な動き

実践方法

  • デスクワーク中は30分ごとに(痛みのない範囲で)肩を回す
  • スマートフォンの使用時間を減らし、使用時は目線の高さに持ち上げる
  • 正しい姿勢を意識し、猫背を避ける

期待される効果: 日中から肩関節周囲の血行を促進し、組織の柔軟性を維持することで、夜間の痛みを予防・軽減できます。

まとめ:継続的なケアが回復への鍵

肩関節周囲炎による夜間痛は、適切なケアと習慣の改善によって、徐々に軽減していくことが可能です。

ここでご紹介した自宅でのケア方法を、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。

ただし、以下のような場合は、早めに専門医を受診することをおすすめします

  • 痛みが2〜3週間以上続く、または悪化する
  • 腕に力が入りにくい、感覚が鈍いなどの症状がある
  • 発熱や全身の倦怠感を伴う
  • 事故やケガの後に症状が現れた

当クリニックでは、肩関節周囲炎をはじめとする様々な痛みに対して、医学的知見に基づいた治療を提供しております。

特に重度の夜間痛に対しては、ステロイド注射や神経ブロック注射が高い効果を示すことが多く、適切な施術により多くの患者さんが短期間で痛みから解放されています。

神経ブロック注射は、痛みの原因となっている神経の伝達を一時的に遮断することで、即効性の高い痛み緩和効果が期待できます。

お一人で悩まず、専門家のサポートを受けながら、痛みのない快適な生活を取り戻してください。