骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨がもろくなり骨折しやすくなる状態のことを指します。骨密度を測定することで、骨粗鬆症かどうかを判定することができます。骨密度が低下する要因は、骨形成と骨破壊のバランスの崩れにあり、女性は加齢とともに女性ホルモンが減少し、骨破壊を抑制できなくなることが原因です。

 

骨粗鬆症には自覚症状がなく、気づかずに進行し、転倒などして骨折し発見されるケースが多発しています。骨粗鬆症になると、通常では骨折しないような軽微な外力で骨折を起こすことがあり、脆弱性骨折(ぜいじゃくせいこっせつ)と言います。大腿骨頚部骨折の発生に注意が必要で、ほとんどの場合手術や入院が必要となります。また1年後死亡率が10%にもなるため、命に直結する外傷であると言えます。

 

帝都メディカルクリニックでは、骨粗鬆症の早期発見に努め、脆弱性骨折の発生を予防します。

骨粗鬆症の診断

骨粗鬆症の診断には、日本骨粗鬆症学会「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」の診断基準を用います。骨密度が一定基準に満たない場合を骨粗鬆症と診断しています。

 

  • 骨密度が若年成人比較(YAM;young adult mean)で70%未満
  • 脆弱性骨折があり、YAM比で80%未満

 

骨密度の測定には様々な計測機器が用いられます。

  • 超音波骨密度測定器(前腕やかかと)
  • MD法(手指の骨)
  • DEXA法(橈骨、椎骨、大腿骨)

 

健康診断などでは超音波骨密度測定器を用いますが、骨粗鬆症の正確な診断にはMD法やDEXA法を用いることになります。当院では検査の簡便さから、MD法を採用しています。

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の治療は、生活習慣改善と薬物療法があります。骨粗鬆症の成因には、喫煙、ビタミンD・Kの欠乏、ロコモティブシンドロームなどが関わっていると言われています。そのため、禁煙し、バランスの取れた食事、適度な日光浴、適度な運動が勧められます。

 

以下のような薬剤が用いられます。

  • 活性型ビタミンD製剤
  • 選択的エストロゲン受容体作動薬(SERM)
  • カルシトニン製剤
  • ビスフォスフォネート
  • 抗RANKL抗体
  • PTH製剤

 

上に挙げた薬のうち、下に行けばいくほどより骨密度上昇効果は高くなります。デメリットとしては、副作用が出やすいこと、投与間隔が決められていること(週に1回注射など)、注射でしか投与できない、などがあります。骨密度の程度や原因によって治療薬の選択も変わってくるため、医師の診察を受けてその方に合った治療薬を見つけていきます。

まとめ

骨粗鬆症は、骨密度の低下によって、骨がもろくなり骨折しやすい状態になります。

自覚症状がないため、気づかずに進行し、転倒などして骨折し発見されるケースが多発しています。骨粗鬆症の治療には、生活習慣改善と薬物療法があります。

骨密度の程度や原因によって治療薬の選択も変わってくるため、医師の診察を受けて、その方に合った治療薬を見つけていきましょう。