みなさんこんにちは、院長の藤田です。
今回は当院にも多く来院されます腰痛の原因について紹介します。
腰痛の原因について
腰痛は多くの人が経験する一般的な症状であり、その背後には様々な原因が存在します。
医学研究においても、Deyo1)による報告など、腰痛の原因に関する多くの研究が存在します。これらの研究によると、プライマリーケアの現場で見られる腰痛の大部分は「非特異的腰痛」とされ、その具体的な原因は明確ではないとされてきました。
しかし、診断技術の進歩と疾患概念の確立により、腰痛の原因を特定できるケースが増加しており、現在では8割が診断可能であるとされるようになってきました。
現在では、症状の観察、理学的検査、レントゲン検査などを通じて、腰痛の多くが診断されるようになっています。
腰痛を引き起こす主な疾患
- 筋筋膜性腰痛症(MPS):姿勢の問題や職業上の理由、筋力の低下が原因で発生し、運動療法や姿勢矯正が効果的です。
- 椎間関節性腰痛:リハビリテーション、鎮痛薬、椎間関節ブロックが治療法として用いられます。
- 仙腸関節性腰痛:リハビリテーションや鎮痛薬に加え、仙腸関節ブロックが治療選択肢として考えられます。
その他、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、圧迫骨折などが腰痛の原因となることがあります。
腰痛の診断方法
・前に屈んで痛みが出る場合、腰椎椎間板ヘルニアやMPS、仙腸関節性腰痛が疑われます。
・後ろに屈んで痛みが出る場合、脊柱管狭窄やMPS、椎間関節性腰痛が疑われます。
・背中を触って、真ん中に触れる背骨を押して痛む場合は椎間関節性腰痛が疑われますし、真ん中よりも左右に離れた範囲が痛い場合はMPSを疑います。
腰痛の治療法
腰痛の治療には、正しい診断が前提となります。
診断後には、運動療法、姿勢矯正、リハビリテーション、鎮痛薬、漢方薬、トリガーポイント注射、椎間関節ブロック、仙腸関節ブロックなど、症状や原因に応じた治療法が選択されます。
なお、治療方法については、SNSなどの情報に振り回されるのではなく、身近な医療機関に行き方針を決めるようにしてください。
ご自身で診断を下すことなく、適切な判断・治療を受けることが、腰痛からの回復への最良の道です。
参考文献
- Deyo RA, Weinstein JN. N Engl J Med. 344, 2001
- Suzuki H, et al. PLoS One. 11, 2016
- 尿閉や便秘など