天気と痛みの関係。どうして雨で痛みが増すのかについてお話します。
みなさんこんにちは、帝都メディカルクリニック院長の藤田です。
最近、梅雨のせいでお天気が悪いですね。天気が悪いと、なぜか頭や関節が痛む、という方は少なくないのではないでしょうか。
お天気の変化によって起こる痛みを「天気痛」といいます。今日は天気痛について解説していきます。
以前は「気のせい」で片付けられていた天気痛も、最近ではそのメカニズムについて徐々に解明されつつあります。
天気痛の原因は、耳の奥にある「内耳」にあるとされています。内耳の中の三半規管という3つの骨が、身体の傾きや動きを感じ取るセンサーの働きをしています。
実はこの三半規管、気圧の変化も感知することができるようで、低気圧が近づくと脳がその危険を察知して「交感神経」を刺激します。
交感神経は、本来は身体を興奮させ危険から逃げ出す時に使われる神経です(英語では"fight or flight"、つまり”戦うか逃げるか”に使われる神経)。
この交感神経の刺激が痛覚を刺激して、痛みを引き起こします。
 

つまり、
「天気が悪い(気圧が低い)」

「三半規管が気圧を感じる」

「脳へ情報が伝わる」

「交感神経を刺激する」

「痛覚を刺激する」

「痛みが強くなる」

という流れです。

 

そのため三半規管が敏感な方は、気圧の変化を感じ取る力が強く、天気の変化で痛みが左右されやすくなります。とくに車酔いの強い方は、三半規管が敏感なことが多いので注意が必要です。

 

天気痛を感じる方は、天気予報をチェックして身構えておくことで、痛みも軽くなるかもしれません。